「ね、ね、あれ、うまくいくか賭けなーい?」
「んー、どうしよっかなぁ〜?」
弾むような友人二人の声がする。あたしはその声につられて顔を上げ、二人が見ている方に目をやった。
好奇心剥き出しで見つめる二人の視線の先には、ちょっと可愛い女の子と、それに必死で声をかけるあいつの姿があった。
酒場の喧騒に紛れて、あっちの会話の内容はわからないが、どうせナンパに決まっている。その熱心さは評価するが、今までにそれが成功したことは無い。
あたしは苦笑して言った。
「やめなよ、二人とも。賭けるだけ無駄だって。」
すると、二人―――ケッチャとユズが、あたしの顔を見て、何か言いたげな笑みを浮かべる。
その顔は、酒が入ったせいか、二人とも普段より少し赤い。
もの言いたげな笑いが、なんとなく勘に触って、あたしは唇を尖らせた。
「…何よ、二人とも。」
「んー、べっつにぃ〜?」
「ねー、ケッチャ♪」
うふふふふっ、と二人は顔を見合わせ、同時に笑った。いかにも、『女の子らしい』何か秘めた笑い方だ。
二人とも、大好きな親友だけど、悪いけどこういうところはあんまりあたしには合わない。
何事かと理由をつけては、ケッチャもユズも、ケイン君とあたしをくっつけようとするのだ。
あの、お気楽エルフと。
冗談ではない。
何しろ、『あの』ケイン君だ。
エルフらしく、精霊の使い手としての確かな実力と、黙って真顔でいればそれなりに…まぁ、ハンサムの範疇に入る顔をしてるかもしれない。童顔だけど。
タラントの王宮が危機に陥った時に、絶妙のタイミングで魔神の嘘を発覚させたところなんか、やるじゃんと思った。ちょっとだけど。
だけど、それらをすべてぶち壊すかのような、お気楽で能天気な性格と、どうにも頼りない行動を同時に兼ね備えた、『あの』ケイン君なのだ!
あたしの好みは、もうちょっと、渋くって、お金持ちで、腕の立つ、頼りになる男なんだ。
確かに、他の仲間よりも、あたしが一番ケイン君と一緒にいるし、何かと世話を焼いているかもしれない。だけどそれは、手の掛かる弟の世話をしているようなもので、二人が邪推するようなものでは絶対ない。
…と、普段から二人には強調しているのだけど…。
「あのさぁ…、あたしとケイン君は、あんた達が期待してるような関係じゃないわよ。」
不機嫌そうにあたしが自慢の金髪を掻きあげると、二人は視線を合わせて『ねぇ?』とでも言いたげに微笑み合う。
それにまたむっときて、あたしが口を開こうとしたのとほぼ同時だった。
「あ…。」
笑いながらちらりと横に視線を走らせたユズが小さく呟く。
つられてあたしもそちらを見ると、あいつが、さっき声をかけていた女の子と連れ立って席を立ち、店の外へと向かっていっていた。
瞬間、あたしの心臓の鼓動が、一瞬だけやけに大きくなった気がした。
あいつは、見るからに鼻を伸ばした表情で、その子の分の代金を、トレードマークの猫ポーチから支払おうとしていた。
傍で、お礼を言っているらしい女の子。
可愛い子だ。
あたしみたいなすれっからした雰囲気の子とは違う、ごくごく普通の、でもちょっと奢ってもらってラッキーという下心も見えるような、女の子らしい子。
「……。」
無言でその様子を見つめるあたしに気付いたのか、あいつがへらへら笑ってこっちにピースサインを向ける。
その、いかにも浮かれた表情が、無性に癪に障った。
「あっれぇー!?なーんだ、ケイン君ってば、うまくいってるじゃーん!やるぅ♪」
ようやく気付いたらしいケッチャが、明るい声を上げて、向こうに手を振った。あいつはそれにご機嫌に応じた後、連れの女の子と話しながら、―――多分あたし達との関係を釈明しつつ出ていった。
「行っちゃったねー。ケイン君だと、お金だけ出させられてバイバイ、なんてなりそうだけどね。」
あははははっ、と笑いながら言うケッチャ。あくまでケッチャは面白半分に楽しんでいる。
それとは対称的に、ユズが、あたしの表情を伺うような目でこっちを見た。あたしはどうやら随分不機嫌そうな表情をしているらしい。
ユズの、他の人に気配りのできるこういうところは好きだけど、時折余計なお世話だと感じる時もある。いっそ、ケッチャみたいに、あくまで人事として笑い飛ばしてくれたほうがいい。
ユズの視線を遮るように、あたしはジョッキに残っていたエールを一気に飲み干した。
ぬるくなってしまったエールは、随分まずく感じた。
その後。
あたしは一人、宿屋で天井を見つめていた。
宿屋に仲間は誰もいない。
あたし達とは別行動で用事を済ませていたディーボとザボが後合流したので、河岸を変えて他の店で飲みなおすことになったのだ。
ユズが熱心に飲みなおそうと誘ってくれたのだけど、なんだかそんな気分になれず、あたしだけ先に部屋に帰らせてもらった。
男部屋と女部屋に分かれて取った部屋は、一人ではちょっと広すぎる。
なんだか眠れないので頼んだワインは、栓を開けたままほとんど手をつけられずにサイドテーブルに置きっぱなしになっていた。
「……。」
ごろりとベッドの上で寝返りをうつ。認めるのは悔しいが、こんなにイライラしている原因はあたしにもわかっていた。
あいつのせいだ。
自覚したのはいつ頃からだろう。
最初は、あまりの頼りなさに放っておけなくて、まるで弟の世話を焼く姉のような気持ちだった。
その、ピンチの時でも笑っていられる能天気さが、だんだん逞しく感じられるようになったのは、いつからだったのだろう。
不覚だ、としか言い様が無い。あたしの予定では、もっとお金持ちで、頼り甲斐のある男を捕まえるつもりだったのに。
なんだって、よりによって、あんなすっぽこな鈍感女好きエルフなんて好きになっちゃったんだろう。
仲間はいつも一緒のあたし達を見てからかうけれど、実情は出会った頃と大して変わり無い。出会った頃のまま。世話を焼くあたしと、焼かれるあいつ。
枕に顔を埋め、あたしはそっと自分のやや長めの耳を撫でた。
あたしはハーフエルフだ。人間とは違い、ずっと長く生きる。
今の仲間達はみんな気のいい連中で、大好きだけど、いつかはあたしよりも先に年老いて、別れの日が訪れるだろう。
辛いけど、仕方の無い事だ。
命の短い人間の仲間達が、歳を取り、それを看取る事になっても、あたしはきっとまだこの姿のままで生き続けることだろう。
それでも、最も長寿な純粋のエルフであるあいつとは、どれだけの間一緒にいられるんだろう。
人間よりはずっと長い時間だけれど、いずれは必ず訪れる別れまで―――五十年?百年?
それまで、あたしはずっとこんな中途半端な気持ちでいるんだろうか?
…こんな事をぐるぐる考えて、随分時間が過ぎたような気がするが、本当はそんなに経っていないような気もする。
途中から、自分だけ悩むのが悔しいので、あえて何も考えないように、天井の木目などを数えて気を紛らわせていた。
しかし、どうやらそれも限界に来たようだ。
全く眠たくは無かったが、堂々巡りも疲れるので、仕方なく寝ようと改めて毛布を被ったその時だった。
「…?」
わずかながら隣の男部屋から物音が聞こえた。
ザボ達が戻ってきたかと思ったけれど、それにしては静かだし、ケッチャ達がこっちの部屋に戻る気配も無い。
あたしは、万が一だけど泥棒の可能性も考えて、そっとベッドを抜け出し、隣室に向かった。
そんなに高級な宿じゃないから、廊下もちょっときしんだけれど、こんなもの、本職の盗賊であるあたしにかかればどうってことない。難なく隣室の扉の前まで忍び足で近付いた。
ちょっと扉を観察してみると、鍵穴から明りが漏れている。物音も、わりと大きめに立てているみたいだから、泥棒じゃないみたいだ。
あたしは思い切って扉を開けてみることにした。
「誰っ!」
すると、返ってきたのは馴染みのある声だった。
「うわわわわっ!?―――あ、アリシアンか。」
部屋の中にいたのはあいつ―――ケイン君だった。
突然の声に随分びっくりしたようで、思わずぴんとエルフ特有の耳が立ってしまったみたいだけど、相手があたしとわかって、ゆっくり耳の角度が落ちついてゆく。
「な、なんだよいきなり…。びっくりしたじゃないかぁ。」
驚かせたあたしに抗議するケイン君。そのぶーたれる姿はいつも通りに見えるが、どこかぎこちない。目がちょっと泳いでいる。
「あ…れ?ケイン君、…デートじゃなかったの?」
呆気に取られたようなあたしの疑問に、ケイン君は痛いところを突かれたように言葉に詰まった。
「い、いや、彼女、なにか用事があるとかって…。」
「……ふーん。」
どうやら、ケッチャの読みは見事当たったようだ。あたしは忍び笑いを隠し切れず、思わずニヤニヤと口元を緩めてしまう。
…我ながら、嫌な性格だと思う。
これにはさずがのケイン君もむっときたようで、唇を尖らせて不機嫌に言った。
「なんだよ。笑うなよなー、アリシアン!僕はちょっと傷ついてるんだからさ!」
その、勢いのある言葉とは裏腹のしょぼくれた様子に、あたしは堪らずプッと吹き出してしまった。
「笑うなってば!もう!」
ケインが抗議するが、自分でも腹筋がぴくぴく動くのをなかなか抑え切れずに、あたしは片手で口を塞いだまま謝る。
「ぷっ…あはは、ごめんごめん!だってさぁ、あんまりにもケッチャの予想通りで…。」
笑いが止まらなかったのは、ケッチャの予言が見事当たったのも、ケイン君の情けない表情もあったが、今の状況が、あたしとケイン君との関係を如実に現しているかのようで、なんだかおかしかったのだ。
何かやらかして、しょぼくれるケイン君と、それをからかいつつ慰めるあたし。
笑いながら、あたしはさっきまでの逡巡はどこへやら、こんな関係もいいか、と思い始めていた。
少なくとも、あたしの位置に立てる子は、なかなかいないはずだから。
そんなあたしの気持ちを知るはずも無く、あたしの笑いがようやく治まる頃には、すっかりケイン君は不機嫌そうに耳を下げ、ふてくされてしまっていた。
その子供のような横顔に謝りつつ、あたしは親指であたし達の部屋を指した。
「ごめんってば、ケイン君。お詫びに、ワインがまだ残ってるから飲みなおさない?あたしが奢るよ。」
ケイン君は横目でちらりと不審そうにあたしを見る。
「…もう笑わないー?」
どうやら、さっき盛大に笑ってしまったことが、結構堪えたようだ。
「だからぁ、ごめんってば。笑わない笑わない!」
「あ、ほら、今笑ってるじゃんかぁ!」
あたしは同じような謝罪を繰り返しつつ、そしてケイン君もあたしの笑いに抗議しつつ、なんだかんだで仲良く二人で部屋を移動した。
それから、二時間ばかり経過した。
あたしは、酒のせいかよく回らない頭で、今の状況を必死に考えていた。
部屋には元からあったワインの他、何度か注文した酒瓶が何本も転がっていて、随分と酒臭い。酒に弱い人なら、匂いだけで酔ってしまうかもしれないほど、濃密な酒の匂いが充満している。
あたしは酒には強い方だけど、それでも頭の芯がぼんやりしてしまっているから、かなり飲んでしまったのだろう。
ケイン君は、あたしよりエルフの血が濃いせいか、酒にはあんまり強くない。だから、普段はそこまで飲まないのだけど、今日は女の子に振られたのもあってか、あたしに合わせてよく飲んでいた。
早々にその色白の肌を首筋まで朱に染め上げつつ、愚痴と共に杯を重ねていたのを覚えている。
そんなケイン君の話を聞いたり、ザボとケッチャの関係について噂したり、この間聞いた、ディーボの面白い寝言なんかを肴に、飲みながらみんなの帰りを待っていたはずだったけど…。
この状況は一体何なのだろう。
ケイン君が、あたしの上に覆い被さっている。
「アリシアンー…。」
ぼそぼそと、ケイン君の唇が言葉を紡ぐが、あまり呂律が回らない。完全に酔っている。
あたしも同じ様に、酒に濁った目をしてるのだろうけど、ケイン君の目は宙を見つめているようにも、ギラギラした熱を帯びているようにも見える。
その視線に怯えたわけではないが、あたしは恐る恐る、自分を抑えつけている男の正気を問い掛けた。
「ケイン君、ちょ、ちょっと、どうしたの?」
あたしの語尾はひょっとして震えていたかもしれない。自分でも、酒だけのせいではなく、声が上ずってしまったのがわかる。
ケイン君は、真っ赤ではあるものの、普段なかなか見せないような真顔で、ベッドに組み敷いたあたしの目を見下ろしている。その真剣な眼差しに、あたしの心臓は外に聞こえるのではないかと思うほどに激しく鳴ってしまう。
あたしの問いには答えず、突然ケイン君がぐっとあたしに体を近付けた。
「んー…。」
「わ、ちょ、ちょっと…!」
襲いかかる、と言うにはあまりにぐにゃりと、ケインが崩れ落ちるようにあたしの体の上にのしかかる。
思わず手を伸ばしたものの、ケインの体を受けとめきれず、そのままあたしはケインを抱きしめるような形で受けとめてしまった。
あたしはケイン君の華奢な体を腕の中に感じながら、その重たさと体温に動けなくなってしまった。
普段ならば、弱っちいケイン君の体など、すぐさま跳ね除けるのだけど、あまりにもあまりな状況に、あたしは指先すら動かせない。
さっきまでの酒はすっかり抜けてしまい、どくどくと脈打つ心臓だけになってしまったかのような錯覚さえ感じる。多分今あたしは、酒のせいではなく耳の先まで真っ赤だろう。
自分の顔のすぐ横にあるケイン君の髪の匂いを感じる。呼吸も、体温も。
あたしはうぶな生娘ではないけれど、こんなにドキドキしたのは初めての時以来かもしれない。
今の仲間達と組んで、しばらくこういった事には御縁が無かったけれど、ケイン君だったらいいかもしれない。
あたしは…ケイン君がそうしたいなら、してもいい。
ともすれば、また上ずってしまいそうな声をどうにか意志で落ちつかせ、あたしはそっとケイン君の耳元に囁いてみた。
「ケイン君…、する?」
少しくぐもった、ひそやかな声。
久し振りだったけど、あたしにしてみれば、これでも精一杯に色っぽい声だったと思う。
「……。」
あたしにのしかかったままのケイン君は答えない。
あたしはケイン君の体をそっと抱きとめながら、返事を待った。その時間は、ずいぶん長く感じられたので、イエスかノーかだけではなく、今にも扉をノックして仲間達が戻って来やしないかと、内心戦々恐々ともしていた。
そして、あたしの耳に、ケイン君の声が届いた。
「…ぐー…。」
寝息だ。
あきらかに寝息だ。
しばらく間を置いて、ふつふつと何かこみ上げるものが、あたしの中に渦巻きはじめた。
怒りだ。
「…こんの、寝ぼすけエルフッ!!」
「のぅわっ!?」
恥ずかしさと怒りがないまぜになった気持ちを隠すこと無く、あたしはずっしりとあたしの体の上で眠りかけていた貧弱エルフを突き飛ばした。
いい気持ちで眠りに入ろうとしていた所をベッドから叩き落されて、あたしに妙な期待をさせた男が床の上にしりもちをついた。
「な、な、なんだよぅ、アリシアン!」
突然の仕打ちに驚いた奴が、目を白黒させながら抗議するが、あたしの目を見て黙る。
「……。」
どうやら、あたしはかなり怖い表情をしているようだ。
無理も無い。さっきから、この男に振り回された怒りと、勝手にあたしが一人で盛り上がってしまったことに対する気恥ずかしさで、あたしの心には嵐が吹き荒れている。
あたしの背後に怒りの精霊の姿でも見えたのか、ケイン君が、まだ酒が少し残ってはいるものの、ちょっと我に返ったような表情で恐る恐る尋ねてきた。
「あ、あのー、アリシアン、どうかしたの…?」
そのあまりにも、艶めいた方向とは無縁の口調に、あたしは思わず怒りも忘れ、はぁーっ…と長い長い溜息をついてしまった。
全く、何を勘違いしてんだか、あたしは。
「?」
ケイン君が、さっぱり意図が掴めない、といった表情で、いきなり今度は落ちこんだあたしを見つめているのがわかる。
ケイン君本人にしてみれば、姉みたいな存在のあたしに、酒の勢いでついつい体ごと甘えてしまったというのが真相だろう。自覚は無い。
どっちかと言えば、それを勝手に勘違いして、一人でドキドキしていたあたしの方が間抜けだったのだ。
なんだかなぁ。…もう、嫌になる。
「…僕、さっきなんかした?アリシアン?」
心配そうに、あたしを見上げるケイン君。まるで主人の心配をする犬のようだけど、そうやって心配されればされるほど、みじめな気分になってしまう。
「…うぅん、違うの。…ゴメン、突き飛ばしたりして。」
言いつつ差し伸べた手に捕まって、ケイン君がよっこらせと立ちあがり、ベッドに腰掛けるあたしを見下ろした。その瞳には、どこかまだあたしを気遣う色がある。
「本当に大丈夫?アリシアン?」
「…大丈夫だって。気にしないで。」
気遣われれば気遣われるほど、なんだか自分が惨めになった気がして、あたしの声はずいぶん沈んでいたかもしれない。
そんなあたしを心配してか、ケイン君はそっとあたしの隣に腰掛けて、じっとあたしの様子を見つめていた。
その、あくまでも仲間を心配する視線に、なんだか申し訳ないような気がして、あたしは何も言葉を紡げず、ただじっとベッドの端を掴んでうつむいていた。
うつむいているせいか、溢れはしなかったものの、なぜか涙がじわりと目の端に浮かんでしまう。
なんだか、あたしが惨めで、馬鹿みたいで、どうしようもなくて、ぐるぐるとした感情が、その行き場を見失ったかのようにただ悲しみとして感じられた。
もう少しで、涙が玉となって流れ出しそうなその時だった。
突然あたしの頭に何か優しい感触があった。
「よしよし。」
ケイン君があたしの頭をまるで子供のように撫ではじめたのだ。
びっくりして顔をあげたあたしの前に、歳相応の落ちついた目の色をしたケイン君の顔があった。
「…よくさぁ、僕が落ち込んでるときに、アリシアンがこうやってくれるじゃない?一回、僕もやってみたかったんだよね。」
そして、えへへと子供のような顔で笑った。
「あんまり無いよね、逆の立場ってさ。」
あたしはただ子供のように撫でられながら、今日ぐらいは素直になっていいかな、と思った。
あたしは、この人が好きなんだ。
頼りなくって、鈍感で、失敗ばっかりして、そしてたまに頼りになる、ケイン=クレンスが好きなんだ。
そう思ったら、あたしの行動は一つだった。
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