「ねぇねぇ」 
「あ〜?」 
「>>23がさ、『レーデルランのあの接客で繁盛する銭湯』とか言ってるけど」 
「ああ」 
「どういうことだと思う?」 
「要は、Mに対する放置プレイで大人気の風呂屋ってことだろ」 
「・・・・・は?」 
「別段、打ったり縛ったりだけがSMってわけじゃない。 
 マゾヒストな客の立場からしてみれば、せっかく来たのに相手にしてもらえ 
ない、あるいは悪し様にあしらわれて追い返される、そういう心理的な苦痛は、 
充分に快楽の対象ということさ。そりゃあ足繁く通いもするだろう」 
「いや、あの、レーデルランのクアハウスって、馴染みのお客さんがいたり、 
朝風呂同好会とかが集まって開店を待ってたりしてるけど、あの人達みーんな 
マゾの人ってわけじゃないと思う・・・。 
 だいたいレーデルランだってそう毎日毎日お客さんのいるクアハウスを放り 
出して余所に出掛けたり、そもそも入れてあげなかったりしてるわけじゃない 
でしょ?」 
「いつ放置プレイが始まるのか? という期待感と、それを裏切られる失望感 
も、プレイの一環と言える」 
「言わなくていいって。てゆーかそういうのだと食い逃げ、じゃなくてお風呂 
の入り逃げされるかも知れないし、お風呂に入ってもらえなきゃお風呂の料金 
はもらえないわけだし」 
「別口でプレイ料金を取っているのかもな」 
「だ〜か〜らぁ」 
「まあアレだ。お前さんは、ああいう無愛想な客あしらいでも経営が成り立つ 
くらい、凄い秘密がレーデルランのクアハウスにはあるんじゃないか、と言い 
たいんだろう?」 
「そうそう! 何しろリプレイの巻頭マンガで『街で五本の指に入るという素 
敵なクアハウス』って紹介されてるぐらいだし、ディアイスでは魔女が経営し 
ているクアハウスはレーデルランのとこだけみたいだし。 
 きっと魔女ならではの何かがあると思うんだよ」 
「具体的には?」 
「キャラシー確認してみたけど、レーデルランって“魔女のちから”の“草木 
や花”が6レベルの最高で、次が“風読み”の4レベルなんだよね。 
 だから、“風読み”で的確な天気予報をして適切なお風呂の温度を設定した 
り、街の人達の噂話を集めてみんなの様子を調べたりしてさ。 
 それで“草木や花”で、眠れない人が多い日にはラベンダー風呂、お祭り前 
のウキウキ気分に合わせてバラ風呂、みたいな。 
 他にも1月はサールン風呂、2月はブルーライグ風呂、・・・」 
「ヌルいな。その程度のことなら、他のクアハウスでだってやっているだろう 
さ。それでなくともディアイスにはクアハウスが多いんだ、そんなことじゃあ 
客の心は掴めんぞ」 
「え〜、でも〜、魔女がやった方が、植物のパワーを最大限に発揮させられた 
りしないかなぁ?」 
「そうだとしても、客寄せのインパクトには欠ける。100%の薬効がある無 
愛想なクアハウスと、50%の薬効がある愛想のいいクアハウスと、どちらが 
客に好まれると思う?」 
「それは・・・・・愛想のいい方かも知れないね。薬効の高さなんて、すぐに 
はわかんないものだし」 
「大体だな、同じように“草木や花”を利用するなら、朝鮮人参風呂、ガラナ 
風呂、ニラ風呂、ニンニク風呂、山芋風呂等、一目瞭然で薬効がありそうな風 
呂にすべきだ」 
「なんか見るからに下心のありそうなラインナップなんだけど。第一、それっ 
て食べて精力を付けるものであって、お風呂に入れて精力がつくものじゃない 
んじゃないの?」 
「心配するな。健康のために温泉の湯を飲むのは一般的だぞ」 
「そっか、ニラとか朝鮮人参とかを茹でたお湯を飲むのか。まあ、あんまり美 
味しくはなさそうだけどね」 
「更に言及するならば、レーデルランが“お料理”3レベル持ちであることも 
忘れてはいけない。ダシの旨味と相俟って、いい湯に仕上げてくれるだろうよ」 
「ダシって、まさか・・・」 
「ニンニク、山芋、お客のダシ汁、そして心をひとつまみ♪」 
「“そして心をひとつまみ”をお風呂に利用するなっ! てゆーか人が入った 
お湯を飲ますなっ!」 
「それはともかく、魔女のクアハウスなんだから、『入ると何かの魔法が掛か 
る風呂』って辺りが妥当だろうな」 
「ああ、なるほど。レーデルランならではってのには欠けるとしても、確かに 
その方が魔女らしいし、魔女以外のクアハウスには真似できないよね。えーっ 
と、魔法リスト魔法リスト・・・あっ、こんな感じかな? 
 『“ほんのすこしのしあわせ”が掛かるお風呂』。お風呂に入ってぬくぬく 
した上、1日の間に何かちょっとしたラッキーなことが起きる。 
 それとか『“いたいのいたいのとんでけ”が掛かるお風呂』。小さい怪我な 
らあっと言う間に治る。 
 こういうのなら、多くの人が足繁く通っても不思議はないよね」 
「やれやれ、その程度のアイデアしかないのか」 
「ええっ、まだダメ!?」 
「せめてこのくらいは出して来い。『“頭上注意!”が掛かる風呂』」 
「へ? 攻撃魔法?」 
「ポタ〜リと垂れてくる熱いロウソク」 
「いや、SMから離れようよ」 
「『“ことばのナイフ”が掛かる風呂』。まるで打たせ湯のような女王様ヴォ 
イスが、客の心を責め苛む」 
「だからSMから離れようってば」 
「『“あなたはもう忘れたかしら?”が掛かる家族風呂』。倦怠期のカップル 
に最適。夢見る心で頬を寄せ合ったあの頃のように二人は激しい恋の虜」 
「あはっ、なんかいいかも」 
「家族風呂なのでそのままコトに及んでいただいてもOK。とゆーわけで、風 
呂場の隅にアダルトグッズが置いてあるのだ」 
「置くな置くな置いておくな!」 
「『“ほんのすこしの勇気”風呂』。恥ずかしくて言い出せなかったことを相 
手に伝えられるようになる」 
「あなたのことが好きです・・・とか?」 
「今日は後ろから犯して・・・とか」 
「それむしろ“ことばの毒”」 
「他には、そうだな、『“おやすみなさい、夢も見ず”風呂』」 
「お湯の中で寝ちゃうのはマズくない?」 
「いやいや、これは自分が入るのではなく、狙った相手のみを入れる風呂なの 
だ」 
「ああ、毎日お疲れの誰かに、一晩ゆっくり休んでもらおうってサービスなん 
だね?」 
「ただし自分が休むことはない」 
「どうして」 
「相手が寝た後は、ヤりたい放題だから」 
「犯罪だよそれ!」 
「気にするな、相手はちょっとやそっとでは目を覚まさないんだ」 
「そういう問題じゃないでしょっ!?」 
「安心しろ。こんなこともあろうかと、フォロー用の風呂も考えておいた」 
「フォロー用の風呂?」 
「『“それは夢、みんな夢”風呂』」 
「忘れさしゃいいってもんじゃなーいっ!」 
「ではもう少しマイルドに行こうか。『“霧よ、我が身をおおいかくせ”風呂』」 
「それって野外でしか使えない魔法だよね。つまり露天風呂ってことだよね。 
周りの景色が隠されちゃうんじゃ全然意味がないんでは?」 
「初心者にはそのくらいで丁度いいんだ」 
「初心者、って?」 
「アオカン初心者」 
「・・・・・」 
「誰かに見られるかもってリスクにコーフンできるほどではない、しかし試し 
にやってみたい。という向きにおすすめだ。 
 ん、どうした、疲れた顔して?」 
「いや、別に・・・。もう少しマトモなものは無い?」 
「今のはマトモじゃなかったか? ならこういうのはどうだ、『“もういちど 
チャンス”風呂』」 
「へえ?」 
「いざ挿入! ってときに萎えた、とか、膣痙攣で陰茎捕捉、抜去不能! っ 
てときにやり直しがきく」 
「な、涙が出てきそうなお風呂だっ」 
「『“小さくおなり!”風呂』。指が太く、きめ細かな愛撫が苦手という人に、 
30分限定の小柄な身体を提供。トロールとドワーフのような体格差が激しい 
カップルにも大好評」 
「30分だけ小さくなってもなぁ、って気がするけど」 
「前戯だけとか、入れて出すまでとかなら30分で何とかなるだろ。なんなら 
風呂に入り直しゃいいんだし」 
「そっかぁ。 
 って、感心してる場合じゃないや。あのさぁ、なんでそーゆーヤラしいのし 
か出て来ないの? ウィッチクエストってそーゆー世界観じゃないでしょ?」 
「仕方ないだろう。『ここからはじめるウィッチクエスト』でレーデルランの 
プレイヤー本人も認めていることなんだから」 
「何を」 
「『大昔ならラブホテルも同然である』」 
「そこだけ抜き出して話を拡大すな!」 
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