秘密のファンタジア 

「オリヒメさん、ゆゆしき問題だと思うんですよ」 
 宿の部屋に入るなりドリアッドの少女はそう言った。 
「いきなりなにがですか?ナチュレ」 
 答えたエルフの少女は鈍い金属音を響かせながら板金鎧をはずす。少し天然が入っている仲間の少女、ナチュレは 
ときおりこうした話の切り出し方をする。 
 考え無しというより、既に彼女の中で考えた末の結論が出ているから途中を省略してしまうのだろう。そんな彼女の言 
動に慣れているオリヒメは慌てずに聞き返した。内容はおおよそ見当がついているが。 
「マグナ様のことですよ。ふつー年頃で魅力的で気だての良い女の子に『好き』って言われたら『俺もだよ』とか『嬉しい 
な』とか『生まれる前から愛してました』とかもーちょっとはっきりした態度を示すと思いません?」 
「それはそうかもしれませんけど、それは今に始まった事じゃないでしょう?団長はそう言う人なんですし」 
 ああやっぱり。そう思いつつ最後のレガースを脱ぐ。キルト姿になって身軽になったオリヒメはベッドに腰掛けて聞く体勢 
に入る。この切り出しから入る時はいつもナチュレの愚痴に終始する。それを聞いてあげるのはこのパーティの最年長 
たる自分の役目だと彼女は思っていた。 
「そう、そこ!つまりそこなんですよ」 
「はい?」 
「私たちはとんでもない思い違いをしていたのかもしれません」 
「・・・・・・と言いますと?」 
 いつもと展開の違う彼女の某漫画編集者口調にちょっと面食らいつつも先を促す。オリヒメの返事を待って、ナチュレ 
は『語る』体勢に入った。 

「いつも『そう言う人』という結論で終わってましたけども、そこで終わっちゃいけないと思うんです。つまり、検証しつつ 
証拠を集めどういう人かをはっきりさせる必要があると!」 
「はあ、わからないでもないですが」 
「そこで私はマグナ様がなぜ恋愛に消極的なのかという推論を三つ立てました。その1、マグナ様は女性ではなく男性 
に興味がある」 
「なんで一つ目がそれなんですか」 
「しかし、その場合タトゥーインともっとラブラブになってなければいけません。そしてここ一週間の私の観察からはその 
様子はうかがえませんでした」 
「無視ですか」 
「次に推論その2、マグナ様は実は女性である」 
「カンフーハッスル並にありえませんね」 
「でも、先日マグナ様の尾行を行った結果『男子トイレを使う』という決定的証拠を掴んだのでこの線もシロです」 
「何の捜査ですか」 
「そして、最後。推論その3ですが、マグナ様は実は恋愛方面にシャイで照れ屋さんなのではないかと思ったんです!」 
 強い勢いで言い切る彼女にたいして、とりあえず他にどうしようもなくオリヒメは沈黙した。ナチュレは止まらないようだったが。 
「この推論に立つとですね!つまり二人に必要なのは『二人っきりのシチュエーション』!そう、アプローチの前提条件です!」 
「同じサタスペネタを別のSSで使うとは作者もヤキが回りましたね」 
 やかましい。 

 とはいえ、ナチュレの言い分にも一理ある事をオリヒメは認めていた。確かにほとんどの場合4人で行動。二手に 
分かれる時も戦力バランスの都合で男女別。マグナとナチュレが二人きりという事は余り無い。 
「ということは、団長を誘ってデートにでも行くんですか?」 
「ん〜、でもそれをやるとマグナ様変に身構えちゃうんですよ」 
「あー、確かに」 
「そこでですね、オリヒメさんにお願いがあるんですが?」 
「え?私にですか?」 
「ええ、オリヒメさんにしか頼めないんです・・・・・・」 

 10分後、オリヒメは苦笑しつつ男部屋の扉をノックしていた。 
「誰だ?」 
「オリヒメです、タトゥーインさんいますよね?」 
「ん、俺に用か」 
 程なく扉が開き端整なセイレーンの青年が顔を出す。もっとも、大概のセイレーンは美形だが。 
「あ、タトゥーインさん。ちょっといいですか?相談に乗っていただきたいことがあるんですけど・・・・・・」 
「ん?相談なら俺が聞くぜ?そう言うのは団長の仕事だしな」 
 ベッドに仰向けに寝そべって魔法書を読んでいたマグナが会話に割ってはいる。立派な心構えだと思うが、せめて身 
体を起こして言ってほしい。 
「いえ、武人としての見識が必要なので団長ではちょっと・・・・・・」 
「そっか。じゃあ頼む」 
「ああ、頼まれた」 

 とりあえず、女部屋の方に誘ったオリヒメはどう話を切り出した物か困っていた。『一人で部屋にいるマグナ様と密室 
で二人きり大作戦』(ナチュレ発案・命名)の為にとりあえず方便で呼び出したはいいが、実は相談事など無いのだった。 
どうしたものかと悩んでいるとタトゥーインの方から声がかけられた。 
「どうした?お前が俺に相談事って言うのは」 
「あ、・・・・・・実はですね」 
 下手な嘘をつくよりも正直に話して協力を仰いだほうが良い。そう判断してさっきの一部始終、といっても大した量は 
ないが、を説明する。すぐにタトゥーインも理解したようだった。 
「なるほどな」 
「ええ、まあそういうことなのでくだらないとは思いますがナチュレの気が済むまで付合って頂けると助かるんですが」 
「いや、面白いんじゃないか?それに・・・・・・」 
「それに?」 
「マグナも女を知れば少しはあのガキクサイところも消えるかもしれないしな」 
「なっ・・・・・・いきなりそんな段階になると決まった訳じゃ・・・・・・」 
 顔を赤らめうつむいて言い返すオリヒメの隣にタトゥーインが腰を下ろす。あまりにも何気ない仕草だったのでオリヒメ 
は近づかれた事に気がつかなかった。 
「そうかな?オリヒメ達の目にマグナがどう見えていたのかは知らないが、あいつはああ見えて堪え性が結構強くてな。 
しかし二人きりでベッドのある所でナチュレに迫られたらどうなるか分からんな」 
「な、な、な、」 
 そんな事になったらナチュレは・・・・・・喜ぶかもしれない。そう思い直すと、驚きのあまり出しかけてどもった言葉も 
するんと胃の中に落ちた。 

「ま、まだ早くないですか?」 
 確かにマグナもナチュレもまだ少年少女と言っていい年頃だ。しかし、タトゥーインは涼しい顔で答えた。 
「男と女の間に時間なんか関係ないさ。それより・・・・・・」 
「え?」 
 タトゥーインの顔がオリヒメに近づく、その意味に気がついた時にはとっくに遅かった。 
「せっかくだから俺たちも楽しもう」 
「んっ!?」 
 突如、タトゥーインはオリヒメを押し倒し唇を重ねる。何が起こったか把握できた時にはタトゥーインの舌はオリヒメの 
歯を割って入り、その中を舐め回していた。 
「んんん〜〜〜〜〜っ!????」 
 その間、タトゥーインはオリヒメの手を取りプロレスで言う所の「手四つ」の形にする。剣ダコでぼこぼこのお互いの手 
のひらだったが、タトゥーインの手は繊細且つ絶妙にオリヒメの手を愛撫する。 
 その、手と手の愛撫のせいか長いキスのせいか、オリヒメはやがて抵抗を止めた。それを見計らったようにタトゥーイン 
は唇を離す。とろんとした目でオリヒメが問いかける。 
「なんでいきなりこんなこと・・・・・・」 
「いきなりじゃないな」 
「え・・・・・・」 
「初めて見た時からこうしたいと思っていた」 
 返事を待たず、タトゥーインは首筋にキスをした。オリヒメの口から長いため息が漏れた。 

「あ、や、んん。っはあ!」 
 分厚いキルトの上からタトゥーインの手がオリヒメの身体を這い回る。鎧下に阻まれ間接的に愛撫の感触と昂ぶった 
熱がオリヒメの身体に染み込む。タトゥーインはオリヒメの感じている様子をうかがいながらキルトの止め紐をはずして 
いく。突然のキス・愛撫・告白に混乱し、はねのける事すら思いつかないオリヒメはそのことに気付かず。あっさりとキルト 
を剥がされてしまった。 
「はっはあっ!いやっ、み、みないで・・・・・・」 
 ランプの明かりに照らされたオリヒメの下着姿は、しかし意外に色気のない物だった。 
 まず下の方だが、ショーツやスキャンティなどと呼ばれるような物ではなく俗に言うカボチャパンツ。可愛いと評する 
人はいるかもしれないが、男の欲情を煽る物ではない。 
 そして、それ以上に奇妙だったのが上だった。形状こそ普通のブラジャーと同じだが、オリヒメの胸を覆うそれは分厚い 
革製でキルトの下から出てこなければ鎧と間違えそうなほど、堅牢な代物だった。 
「これは・・・・・・?」 
 予想外の防具に面食らいつつ、ブラ周辺への愛撫を止めないタトゥーイン。直に触れるオリヒメの身体はしなやかで、 
緻密な筋肉に支えられた脂肪が染み一つ無い白い肌を内側から押し上げ見事な張りを見せていた。 
「ひ、ああ、あ。ひゃう、・・・・・・ふ、ふう。あ!」 
 その素肌を指が這い回るたびにオリヒメが言葉にならない声を上げる。タトゥーインはその間にも逆の手でブラの構造 
を探り、ついにフロントの部分にある留め金を見つけた。 
「んんっ!や、は。・・・・・・あ、だめですっ!」 
 留め金にタトゥーインの指がかかるのを見て、オリヒメはとっさに拒絶しようとするが。一瞬遅かった。 

 ぶるん!! 
 勢いよくはじけて開いたブラの中から、していた時より明らかに一回り大きい乳房がまろびでる。巨乳、いやトップサ 
イズ1メーターを超えるであろう爆乳が仰向けだというのに型くずれせず堂々とそそり立った。 
「い、いやああああっ!!見ないでっ!見ないで下さい!!」 
 半ばパニックに陥りつつ胸を隠そうとするオリヒメの腕をタトゥーインは一瞬早く押さえつけた。そして、そのまま唇を 
奪う。優しく吸い上げながら、オリヒメが落ち着くまで待つ。やがて、腕から力が抜けていく。それを確認してタトゥーイン 
は顔を離した。 
「ぐすっ・・・・・・。ダメって言ったじゃないですか・・・・・・酷いですよ」 
 泣きながら抗議するオリヒメの頬にキスしながらタトゥーインは問いかけた。 
「どうしてだ?こんなに綺麗なのに恥ずかしがる事はないだろう」 
「そ、そう言う事じゃなくて・・・・・・ひあっ!あっあっ!」 
「それに、こんな物までして隠すなんて。もったいない」 
 タトゥーインは頬から首筋、首筋から鎖骨、キスする位置を徐々に下げていく。手は手首から離して脇腹を責めていた。 
「か、隠している訳じゃ、はう!無くて、これ以上大きくなると鎧が着られなくなるんです、ん!」 
 脇にキスをされるとオリヒメの身体が大きく跳ねる。 
「それに、強く固定してないと、ひゃあっ!あの、擦れて、変な気分に。っあ!そ、そこだめですっ!」 
「擦れる?どこが?」 
 そう聞きながらタトゥーインの手がオリヒメの爆乳をわしづかみにする。仰向けでも脅威の高度を誇るその威容にふさわ 
しく、オリヒメの乳房はゴム鞠のような弾力で指を押し返す。 

「あはあっ!!だめですっおっぱい揉んじゃダメです!ひゃう、ひゃう。いにゃっ!そこそんなもんだらへんになっちゃう!!」 
 最早悲鳴のようなオリヒメの嬌声を聞きながら努めて冷静な声を作って聞く。 
「どこが擦れるんだ?なあ、教えてくれないか?」 
「そ、そんなの、やはっ、恥ずかしくてっ、い、言えません!!」 
「そうか、それじゃ止めだ」 
「え・・・・・・?」 
 突然タトゥーインは、す・・・と身体を離す。きょとんとした目で見上げるオリヒメに意地悪く言う。 
「だから、言わなければ止める。どうする?嫌なんだろう?」 
「う・・・・・・」 
 オリヒメは徐々にわき上がってきた切なさに、再び目に涙をにじませる。既に胸は張りつめ、その頂点は触れられても 
いないのに硬くなっていた。股間の方も熱くなってきたのが自覚できる。既に火のついた身体。もし誰も見ていなければ 
今すぐにでも自分の手で慰めていただろう。 
 オリヒメを押しとどめているのは理性と女性としての羞恥心だった。しかし、それもやがてタトゥーインの体温と体内の 
愛熱に炙られて溶けおちていった。 
「・・・・・・乳首、です。乳首が、擦れちゃうんです」 
 消え入りそうな声でオリヒメが告白する。すかさずタトゥーインは薄い笑みを浮かべてそこを優しくつまんだ。 
「ここか?」 
「ひゃうっ!?あっ、はい、私そこ凄く感じちゃうんですっ!!はあっ!!いい!タトゥーインさんの指が気持ちいいですうっ!!」 

 素直な声を上げて悶えるオリヒメ。タトゥーインは大きく勃起した乳首をつまみつつ、耳たぶにキスして囁く。 
「こんなに感じるなんて・・・・・・オリヒメのおっぱいはいやらしいんだな」 
「やあん。言わないで下さい・・・・・・んっ!」 
「感度も、大きさも、形も、感触も最高だ。うれしいね、これが今は俺だけの物だ」 
「やん、恥ずかしいです。・・・・・・んやっ!す、吸わないで下さっはああっ!!」 
 タトゥーインはそそり立った乳首を口に含んで吸い立てる。白い肢体がのけぞる。胸からの刺激にオリヒメが酔って 
いる隙に、タトゥーインはパンツの腰ひもをはずしていた。 
「オリヒメの・・・・・・ここも見たい」 
「え、あ!やあぁぁ・・・見ないで・・・」 
 タトゥーインがパンツを下ろす。オリヒメは顔を隠して拒絶したが、抵抗はなかった。 
 上と同じく、真っ白い肌。安産型の腰つき。そして、青い剃り跡に囲まれて綻びかけた肉の華。既にそこは濡れてい 
て、毛の剃り跡がてらてらと光った。 
 意外な光景にタトゥーインは少し戸惑う。太腿を割り開いて顔を近づけてまじまじと観察する。 
「剃っているのか?なぜ?」 
「あ、あの。私、処理しないと凄く濃いから蒸れるんです。それで、直接触れるような下着だと、あの、ちくちくして、痛い 
から・・・・・・」 
「このカボチャパンツというわけか」 

 オリヒメは真っ赤な顔で首肯する。そして、赦しを乞うような声で囁いた。 
「あの・・・・・・変ですよね。こんな、おばさんくさい下着・・・・・・」 
「変かどうかはどうでも良い」 
 タトゥーインはオリヒメの独白を遮り力強く断言する。 
「俺はこれが好きだ」 
「・・・・・・っ!あああああああっ!!」 
 返事を待たずタトゥーインはオリヒメの下の唇にディープキスをする。感じさせることよりも深く深く交わろうとするため 
の愛撫。泣きながら鳴きながら啼きながらオリヒメは絶頂に達した。 

「んあぁ、タトゥーインさん・・・・・・ああ」 
 忘我の淵からオリヒメが目覚めると、太腿を割ってタトゥーインが腰を入れていた。自分の秘所に当たる熱い感触に 
背筋が痺れるのを感じた。 
 タトゥーインはオリヒメが目覚めるのを確認するとゆっくりと腰を進めた。 
「あ、ああ私の中に・・・・・・入ってくる・・・・・・」 
 侵入してくる異物感と何かが切れる軽い痛み。快感は思ったより感じなかったが、それ以上の何かが突き上げてきた。 

「う・・・・・・締まるな」 
 眉をしかめてタトゥーインがうなる。それを聞いてオリヒメは不安を感じた。 
「・・・・・・あの、気持ちよくないんですか?」 
「そうじゃない、そうじゃなくて・・・・・・」 
 一瞬口ごもり、言い訳するように続ける。 
「・・・・・・つまり、その、すぐに出てしまいそうなんだ」 
「っ!・・・・・・出していいです」 
「え?しかし・・・・・・」 
「欲しいんです。タトゥーインさんの・・・・・・精液」 
「・・・・・・オリヒメっ!!」 
 タトゥーインはやせ我慢の限界を迎え、叩きつけるように腰を使う。オリヒメはなされるがままにそれを受け止める。 
やがて膣内を蹂躙する感触が快感に変わっていく。 
 お互いをきつくきつく抱きしめ、名前を呼び合う。肉のぶつかる音が宿屋の狭い部屋に響く。そして、熱い迸りと共に 
二人同時に快楽の頂点へ昇り詰めた。 



「あれ?オリヒメさんどこへ行ってたんですか」 
「いえあの、ちょっとお先にお風呂に」 
 あのあと、身繕いの為に風呂に入ってきたオリヒメが部屋に戻ってくるとナチュレが先に戻っていた。 
「良い湯加減でしたよ。・・・・・・で、首尾はどうだったんです?」 
 からかうような口調で聞くと、ナチュレは親指を立てて会心の笑みを浮かべた。 
「ええ!ありがとうございます!」 
「え?ということは・・・・・・」 
「はい!狙い通り、いえ、それ以上の成果です!とうとう、とうとうマグナ様と・・・・・・」 
「え?」 
 まさか本当にタトゥーインの予想が当たったのかと内心驚くオリヒメ。それに気付くことなくナチュレは宣言した。 
「マグナ様とファーストで初めてなキスしちゃったんです!キャーーーーッ!!言っちゃったー!!」 
「・・・・・・そうですか。良かったですね」 
 両手で顔を隠していやいやしながらいうナチュレに他にどうしようもなくそう呻く。 
「本当にありがとうございます!タトゥーインさんを引きつけてくれたおかげです!・・・・・・って、そういえば、タトゥーイン 
さん呼び出したあとどうしたんですか?まだ、部屋に帰ってないみたいですけど」 
「え?その、それは・・・・・・えーっと」 
 タトゥーインは今はまだ風呂のはずだが、ナチュレの疑問はそこではないはずだ。計画をばらしてすぐに別れて風呂 
に入ったと答えるか、適当に相談をでっち上げたと答えるか、はたまた真実を答えるか。どれも良い答えに思えなかった 
オリヒメは、少し迷った末にこう答えた。 
「・・・・・・秘密です♪」 
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