いきなりだが僕は立ったまま縛られている。しかも鎖で。ご丁寧に特殊鋼だ。 
壁から吊り上げられた手をジャラジャラ動かすがびくともしない。足は大の字 
に広げられている。腰の辺りで桜が懸命に僕のズボンのベルトと格闘している。 
「えっと、どうすればいいのよ、もう」それは僕の台詞だ。どうしてこうなった 
のだろう。分からない。いつものように学校帰りにUGNの支部に顔を出すと──


「史朗、ちょっと、第三研究室に一緒に来て。野暮用があるから」 
 富士見桜はM市のUGN支部のイリーガルとして熱心に働いている。さまざまな
作戦立案などにも中心的な役割を果たすことは少なくない。本人自ら抱えるUGN
の秘匿情報から懸念の声も他の支部から上がっているが支部長の水原マキは気にし
ない。 
 この頃は実働作戦ばかりでなく内部研究にも目を向けるようになった。レネゲイ
ドウイルスには分かっていない事が多い。熱心にレポートを取り寄せて読んだり、
スタッフにさまざまな指示を与えたりする。その目的はようとして知れない。 

 一方、松永史朗はかつての気の弱さに鳴りを潜め、圧倒的な戦闘力を駆使し数々
の作戦を成功に導いてきた。誰もが困難といわれ犠牲者なくして解決不可能と思わ
れた作戦も犠牲者ゼロて解決したりもした。その手腕に他の支部もとより本部から
も勧誘の声が高まるが頑として離れようとしない。あくまで応援のみにとどまる。
その理由は不明だ。ただ、やはり他のエージェント。とりわけオーヴァードとは積
極的に関わろうとしない。対抗種としての自制の鍛錬は続けているが時折傷つける
ことは生じてしまう。触れただけで火傷がおこる。本人だけの問題でなく他のオー
ヴァードの能力も関わっているようだ。
 そのため、明るく振舞っているが内心はやはり悩んでいるようだ。 



 第三研究室には誰もいなかった。いくつかの見られぬ機材や感染者が暴れないように 
押さえる拘束具を見て史朗は眉をひそめる。桜がこの頃、さまざまな研究を調べていると 
聞いてるが一体、自分に何のようなのだろうか。 
「さて。とりあえず、そこの壁の方に立って。うん、それでいいわ」 
 戸惑っている史朗に桜は指示をする。「はい、そこで手を万歳して。足ももう少し 
広げる。よし」と同時に手に持って何かのボタンを押す。あっという間に史朗は鎖で 
拘束される。 
「おい、何の冗談だよ」 
 抗議する史朗にどこ吹く風か、 
「ああ、研究の一環よ。サンプルが欲しいから。協力してくれるって言ったでしょう」 
 がちゃがちゃと桜はベルトと格闘している。「なかなか外れないわね、もう」 
「だから、何をしようとしてるんだ?」 
 はっきり言って分からない。焦る史朗は鎖をがしゃがしゃさせる。びくともしない。 
「ん、史朗の体液を収集しようと思うの。対抗種のサンプルはやっぱり少ないから」 
 気が遠くなるようなことを言ってきた。めまいがする。腰の辺りがスースーする。 
とうとうズボンが脱がされた。ついでにパンツも。 
「へー、やっぱりトランクス派なんだ。昔はブリーフだったのに。それにしても 
けっこうグロテスクね。ほんと、昔は小さくてかわいかったのになー」 
 ……神様、これは何かの罰ですか? 無神論者だが、今だけは神に祈りたくなった。 
物怖じせず史朗のアレをいじる桜を見下ろす。 
「──勃ってないわよ?」 
 ひょいとかわいく首をかしげる。 
「たつかーーー!!!} 
 叫び声を上げて抗議する。 
「ああ、ちなみに叫んでも無駄よ。水原さんに頼んでここは立ち入り禁止だし、 
防音もばっちりだし」 
 しこしこと史朗のアレをいじる。むくりともしない。 
「……勃たないと精液が収集できないのよね」 
 協力してくれないの? という桜の視線に顔をそらして無視する。 
「仕方ないわね」 
 顔をそらして無視を決め込んでいた史朗は突然襲った股間の感触に驚く。 
熱くぬるりとしている。下を見ると桜が史朗の肉棒を口に咥えていた。 
「おい、やめろよ。あうっ」 
 その初めての刺激に史朗は耐えられない。むくむくと肉棒が硬くそそり立つ。 
「わーい、立った、立った」 
 喜んだ後、桜は再び咥えた。まずは先端の方からすっぽりと口に含む。 
もごもごと動かす。たっぷりと唾液を溜めてたらしていく 

あむっ、むぐ。んっ、うぐ。ずぽっ、ずぼぼぼぼっ。 

 いやらしい音がする。我慢したくても我慢できない。べちゃりと 
舌が蠢くとそれだけで背筋にまで快感が奔る。 
「やっ、やめろよ」 
 何とか抗議の声を上げても、 
「ふふ、こんなに立派になっているのに我慢できるの? さっさと 
出しなさいよ」 
 自らの行為に桜も興奮しているのか顔が上気している。舌でぺろりと 
肉棒の横をなめる。軽く歯を立てて噛む。痛みすら快楽に繋がる。 

史朗は呻く。桜の舌は史朗の袋まで犯していく。舐め上げられたとたん、 
呻いて腰が逃げる。ジャラリと鎖がなる。 
「逃げないでよ」 
 あむっと咥える。片手で袋を嬲る。優しく指を這わせる。 
 史朗とて自慰の経験はある。自分の性器をいじり慰めたことはある。 
けれどもこれほどの快楽は得られなかった。いや、別な意味で自分の手 
のほうが気持ちいい。触って欲しいところ。刺激して欲しいところが分かる 
から。桜の口と手は肝心なところを刺激してくれない。圧倒的な快楽なのだが 
手が行き届いてない。 
「はやく、イッテよね」 
 そう文句を言いながら口を動かす。自らも興奮しているのか片手はスカート 
の下に潜っている。ときおり「んふっ、あふ、ああっ」と軽くあえいでいる。 
「そうは言っても……」 
 とはいうものの限界は近い。初めての口淫に耐え切れない。 
「うっ、でる」 
 呻きとともに果てた。史朗の肉棒から桜の口の中にめがけて放つ。 
「うむぅ」と言って、桜は肉棒から口を離した。白い液が線を作る。 
「んふっ。史朗の精液、飲んじゃった」 
 ごくりと喉を鳴らして微笑んだ。 
「おい、待て!」 
 顔が青ざめる。史朗は対抗種。自分の体液がオーヴァードである桜を 
傷つけるかもしれないのだ。 
「大丈夫よ。史朗はわたしを傷つけたりしないんだから」 
 優しく笑う。と同時にむせる。けほけほと咳き込む。 
「桜?」 
 心配そうに叫ぶが、桜は顔を上げて、 
「ウウ、むせたー。まずいー」 
 そう言って、苦笑いした。これには史朗も呆れて笑った。 
こんな状況にもかかわらず二人は笑いあった。 




「……なあ、なんでこんなことしたんだ」 
 あの後、二人は研究室にあるシャワーで体を洗ったあと、ソファーに座りコーヒーを 
入れる。 
「ん、史朗が変なことで悩んでるからガツンとしようとしただけよ」 
 ちょっと、赤くなりながら桜は言った。 
「ちょっと、この頃は見直してきたけど、また、うじうじしてきたんだもの。 
もう、これで分かったでしょう。あなたは大丈夫。史朗は大丈夫だって」 
 胸が熱くなる。顔が熱くなる。 
「そうだな。ごめん」  
 いつも迷惑かけていた。いつまでたっても頭が上がらない。けど、それが 
たまらなくうれしい。 
「分かればいいのよ」 
 そういって、桜はコーヒーをすする。 
「──それにしても」 
 視線は史朗の下に注がれる。 
「まだ元気よね。それ。あれだけ出してもまだ、足りないの?」 
 史朗の股間は未だにそそり立つ。 
「しょうがないだろう。そんな格好でうろうろしてるし」 
 二人は患者用の簡易白衣をまとっている。ちなみに下着はつけていない。 
「ふふ。なら、もう一戦する? 考えてみれば史朗に奉仕したんだから、 
今度はわたしが奉仕される番よね」 
 さらりと上衣を広げる。ちらりと見える。さらにそそり立つ。 
「ねえ、まずキスして。もっと、熱くさせて」 
 二人は一つに重なる。ゆっくりと横たわる。 
体液収集はまだまだ時間がかかりそうだ。 

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