「話というのは他でもない、我等龍族の未来についてじゃ。」
前置きもなく切り出された少女の言葉を聞きながら、彼女--龍将軍の一人・颯龍将--は酒とグラスを用意しながら椅子に腰掛けた。
生粋の戦闘民族である龍たちの帝国アムルタートの本拠地、空中庭園エヌマ・エリシュ。
今彼女はその支配者であり、全ての龍を統べる冥龍皇イルルヤンカシュと私室で小さな机を挟んで向かいあっていた。
「知っての通り我等は闘争本能で命の力を取り戻し、衰亡を回避すべく戦っておる。その変化は徐々に出始めていると言えよう。だがっ!!」
と言ってイルルヤンカシュは机に置かれたグラスを掴み、中身をぐいっと飲み干すと、
「そのためにダクスフレアに身をやつす者も現れだすし、何より変化が緩やかすぎて歯痒くなる!!わらわはもっとドーンと変革を起こしたいのじゃドーンとっ!!!!」
盛大に愚痴りながら手に持ったグラスをドーンと机に叩きつけた。
「人の部屋に乗り込んできてワガママ仰らないで下さい」とは言えず、曖昧な生返事をしながら彼女がグラスを傾けていると、
「そ・こ・で、わらわが現状打破のナイスアイディ〜アを思いついたから汝にも力を貸して貰いたい。」
「私が、ですか?戦以外で?勿論構いませぬが一体どのような・・・・」
「うむ、わらわと子作りせよ(ニッコリ)。」
ブピュッッッッ!!!
満面の笑顔で告げられた言葉に、彼女は飲みかけていたドラゴンウィスキーを鼻から吹き出しそうになった。
「おおっ、そんなに喜んでもらえるとはわらわも考えた甲斐があるというものじゃ。」
「喜んでませんっ!!と申しますかそれの何処がナイスアイディアなのですかっっっ!?」
彼女が猛然と食ってかかるが、イルルヤンカシュはそしらぬ顔で
「要するにテコ入れじゃ。汝という生きた実例に倣ってな。」
「私が実例?」
「うむ。汝は半龍でありながらわらわが生み出した5人の龍将軍と肩を並べ、敵味方から『白き鳳凰』と呼ばれる程の力を身につけた。」
半龍という言葉に彼女が一瞬体を強ばらせるが、冥龍皇は構わず
「つまり、汝は龍としての活性化でわらわをも凌ぐ勢いを見せておる訳じゃ。これが異種族との混血によるものか、あるいは汝が突然変異ゆえなのかは未だ分からぬがな。」
「・・・・・・」
「そして、そのどちらにせよ汝の血をわらわが取り込めば復活に弾みがつき、うまくすれば真性の龍がすぐにでも生まれるやもしれぬ。コレという決め手が無い現状で試さぬ手はないであろう?」
「し、しかし私は女の身で・・・。」
なおも引き下がろうとする彼女だが、イルルヤンカシュは
「『女の身』??『白き鳳凰』よ、汝は戦場でもかように不正確な報告をしておるのか?」
「なっ・・!!!!」
驚愕の表情で今度こそ完全に固まった彼女を背後のベッドに素早く押し倒した。
「へ、陛下!!何をっ・・・!?」
「わらわに隠し事など無駄じゃっ。ほれ、大人しゅうせい!!」
彼女の抗いをものともせず、イルルヤンカシュはその腰元に手を伸ばす。
ビィィィィィッッッッッッッッッ!!
薄布を裂く音と共に露わにされた股間には、女体にはあり得ざる肉蛇・・・いや、肉の龍が伏臥していた。
「ほほぅ、予想以上であるな。固さはまだ分からぬが、大きさは合格点じゃっ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
満足そうに呟く冥龍皇とは逆に、身体を隠す事すら忘れて顔を背ける彼女。
「コレで問題は無いな。では早速・・・。」
いそいそとドレスを脱ぎ、こちらの上にまたがろうとするイルルヤンカシュに彼女は
「おやめ下さい陛下!!そのような事はなりませぬ!!」
「だーーーーもうっっ!!!汝はさっきからゴチャゴチャゴチャゴチャと!!!!!」
度重なる抵抗に、ついに爆発するイルルヤンカシュ。
「そんなにわらわの発案が不満か!?それとも汝はわらわが他の者と子作りをすれば良いとでも申すのかっ!?真龍復活の為に奴隷やちょんまげ共に身体を開けば良いと思っておるのかっ!!」
「そ、そのような事は決して考えて・・」
「おるのじゃろ?」
「っ!!」
うって変わって悪戯っぽい微笑を浮かべ、彼女の肉龍に触れるイルルヤンカシュ。
「今のわらわの言葉を聞いて、こやつが頭をもたげてきおったわ。わらわが原住民共に穴という穴を犯される場面でも思い浮かべたか?お、こやつはち切れそうじゃのぅ。これなら固さも合格じゃっ。」
屹立した彼女の龍を愛おしげになで回すイルルヤンカシュ。彼女は口を噤み、ただそれを見つめるのみであった。
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