彼女はどこにでも現れ、そしてどこにもいない。 
 ……気がつくと、彼女はそこにいた。 
 長い坂道を登りきった場所。コンクリートで固められた崖の上。 
 眼下の街を背にして落下防止用の柵に座って、混沌の監視者はアスファルト 
の道を駆け登って来る誰かを見ていた。 
 日は傾いて、赤橙色の夕焼け。東の方から夜の蒼色が空を覆い始めている。 
 そう、彼女は為すべきことを“捉え”、その相手の下に“跳ぶ”存在。 
 殺すためか、生かすためか、選択を与えるためか。 
 慰めるためか、嘲弄するためか、ただ、見守るためか。 
 それは知らない。彼女にもわからない。伝説の住人、歴史の監視者。彼女は 
自動的な現象に過ぎず、そこに意志の介在する隙はないのだから。 
 今度は何を為せばいい? 何を誰に為せばいい? 
 それがわかったのは、登り来る男の顔を見分けた瞬間だった。 
 お人好しでお節介で大間抜けで、馬鹿で愚かで救いようがない好青年。 
 自然と、笑みがこぼれる。今は皮肉の色はなしに。 
「鋼の戦士」 
 男の通称を呼ぶ。彼の顔色が変わった。混沌の監視者がいる、となれば、 
「何かあったのかっ!?」 
 息せき切って尋ねる語気の強さは、彼がここまで走ってきたせいではない。 
「君が来たな」 
「何っ?」 
「君がここに来た」 
 彼は眉根を寄せた。 
「意味がわからねぇよ、何があったんだ?」 
「君が、ここに来た。それ以上でも、それ以下でもない」 
「……からかってやがるのか?」 
「だとすれば、今ボクの為すべきは、君をからかうことなのだろう」 
 クスクスと、子供めいて楽しそうに。 
「飲むかい?」 
 どこに持っていたのか、キンキンに冷えた缶入りのスポーツドリンクを差し 
出す。 
 ありがとよ、と彼は受け取り、プルトップを引きあけて一気に半分ほど飲み 
干した。トレーニングの途中だからこそ、水分補給は重要だ。 
 彼女がこんなところでぶらぶら遊んでいる以上、きっと世界は平和なのだろ 
う。少なくとも、どこかの正義馬鹿が駆けつけるべき事件はないに違いない。 
 スポーツドリンクを飲む彼を、いとし子を慈しむ母のように眺めている彼女。 
その視線に気づいて彼は不可解げに片眉を跳ね上げ、そして、ふと気がついた。 
「お前の分は」 
 飲み物の話だ。 
 彼女は無言で、彼の手からスポーツドリンクを取り上げ、何の躊躇いもなく 
1口、2口、喉を潤して、指で缶の口元をぬぐい、そして彼の手に戻した。 
 残りはどうぞ、と勧められて彼は、あっという間に全部を飲み干し、片手の 
中で缶を潰した。くしゃくしゃと紙のように小さく丸めてポケットに突っ込む。 
辺りにゴミ箱はないから。 
「そういえばお前、いつもはどこで何をやってやがるんだ?」 
「随分と大雑把な質問だ。もう少し具体的にはならないか」 
「ええと、だから、何をして稼いでる? やっぱどっかで働いてんだろう?」 
「恐らく君の想像しているようなことは、全く何も無い。ボクは伝説の住人。 
何となく人に紛れて人間社会の中で暮らしていくのは、伝説の住人の基本『性 
質』のようなものだ。例えば、」 
 彼女の細い指の先に、銀色のコインが光る。 
「小銭が必要ならば、ボクは必要な小銭を持っているし、家が欲しければ、何 
故かそこに土地付き家屋の権利書が転がっているのさ」 
 ピン、と弾かれたコインが消えた。 
「そうかい、そいつぁ羨ましいな」 
 あからさまに心とは裏腹の台詞を吐きつつ、彼は柵を使って、脚から背まで 
を伸ばすストレッチ。一時だってじっとしていられないらしい。 
「何か要る物があるなら君に贈ろうか、それともこの『力』自体を貸してあげ 
ようか」 
「冗談じゃねぇ。出どころのはっきりしない金なんて、気色が悪くて使えねぇ 
よ」 
 だろうと思った、と彼女は言った。出どころのはっきりしないスポーツドリ 
ンクを、さっき飲んだばかりだろうに、と指摘することはやめた。 
 夕日の残光が徐々に暗い色を帯びていく。  
「んじゃ、オレはそろそろ行くぜ。スポドリごっそーさん」 
 片手を挙げて、駆け出そうとした彼の背に、彼女の声がかかった。 
「置いて帰るつもりかい?」 
 足を止め、不機嫌気味に振り返る鋼の戦士。 
「たまにはお前の方から誘いやがれ。いつもいつもオレからってのは、なん 
つーか」 
 頭をガリガリ掻き、腹立ち紛れにも似た口調で言った。 
「オレばっかりアレみたいじゃねぇか」 
 アレとは何だ、と突っ込むほど、混沌の監視者は野暮ではない。 
 彼女はふわりと柵から降りて、後ろ手に手を組んで、てくてくと彼に近づい 
た。 
「あいにくと、ボクは口下手でね」 
「はあ?」 
 何言ってやがる、と言いかけた彼の唇を、口下手な唇がそっと押し塞いだ。 
−−− 
 一人でも狭い部屋。二人ならもっと狭いベッド。 
 それでも彼女は、ここが一番落ち着くと言う。 
 シャワーを浴び、先にベッドに腰掛けて待っている彼女は藍紫色のバスロー 
ブ姿。風呂上がりの彼は、腰にタオル一つを巻いたなり。どうせすぐに脱いで 
しまうのだ、ローブを羽織る手間すら勿体無い。が、まさか真っ裸でうろつく 
わけにもいくまい。妥協案として、この格好なのだ。 
 何も言わずに彼女に近づき、彼女がこちらに向けて顔を上げたところで彼は 
彼女にキスを落とす。始まりの合図。いつもの儀式だ。 
「今日は“ボク”のままか?」 
「“私”の方がいいか?」 
「いいや。何度か言ったと思うが……オレは、されるよりする方がいい」 
 もう一度、キスを。ん、と鼻に抜ける彼女の甘い声。 
 バスローブの結び目を解いて、左右にはだける。藍紫色の下には、意外なこ 
とに、すぐさま白い裸身があった。 
「今日は下、着てねぇんだな?」 
「着けていて欲しかったのか?」 
「別に、オレはどっちでも」 
 するりと滑るままに落とすバスローブ。淡い黄色のシーツの上に、補色の紫 
が咲いた。 
 隣に座る。片腕で抱き寄せると、どこか媚態を含んでしなだれかかってくる 
彼女。風呂上がりの汗ばむ肌がしっとりと重なって、体温が行き来する。鼓動 
が想いを伝え合う。 
 無骨というべき男の指が、繊細な女の身体をなぞっていく。 
 殴るために鍛えた硬い手が、柔らかな身体をなでていく。 
 腰、脇、背中。 
 肩、首筋、顎。 
 上を向かせて口づけを、今度は深く、遠慮なく。 
 舌先の小さな争い。初撃は女が。素早く侵入し、男の舌にからめる。反撃は 
男が。あっさりと押し戻し、そのまま侵入し、女の歯の裏をくすぐる。 
 吐息と共に離れる。二人をつなぐ銀の橋、切れる寸前、また求め合う。 
 男の指は、彼女の首から、鎖骨を過ぎて、胸に。 
 隆起の間を通り、臍をつついて、下肢の茂みへ。 
 その指を、そっと押しとどめる掌。 
 少しだけ顔を離して、 
「……嫌」 
 たしなめるように、わがままを言うように。 
「もっといっぱい、……して」 
 ああ、と頷く彼の手の甲を持って導き、その掌を、自分の胸に添える。 
 持ち重りのする乳房の感触を楽しみながら彼は言った。 
「ったく、こんなときだけは素直なんだからな」 
「はっきり言わないと、君にはわからないだろう? それとも、ほのめかしが 
通じるような、自分は気の利いた人間だとでも?」 
「……どうせオレは馬鹿だよ」 
 微苦笑。自分で自分を馬鹿という言葉に、幾らか肯定的なニュアンス。それ 
が彼の彼たる所以だ。 
 彼は彼女の両の乳房を寄せ上げ、その一方を口に含んだ。赤ん坊がするよう 
に乳輪部分を全部飲み込み、唇でやわやわと揉みこねながら、舌で舐めあげ、 
くすぐって、 
「っは、んうっ、あ……」 
 やがて尖った先端を、きゅっと噛んでやると、 
「ゃうっ!」 
 なんて無防備な喘ぎ声。 
 混沌の監視者、“ボク”。ひねくれ者で皮肉屋で。その顔をしか知らない者 
は、よもや誰かのベッドの上で彼女がこんな甘ったるい表情を見せるなどと、 
夢にも思わないに違いない。 
 オレだけが知ってる彼女。独占の喜びに彼の頬が緩む。 
 再び指が南下していく。今度はするりと、 
「あっ」 
 女がびくんと飛び上がる。 
 男の声に混じる驚き。 
「おいおい、もう『これ』かよ?」 
 ひだを掻き分ける必要もなかった。乾いた指先がたちまち湿り、濡れていく。 
「本当に、今日はどうした?」 
「知ら……ない」 
 はう、と吐息をもらす、妖しいくらいに朱い頬。 
「わからないけど、」 
 君が欲しくてたまらないんだ。 
 ささやかれて彼は、うあ、と一言うめき、自分の頭をわざと柱に打ち付けた。 
ゴツン。まるで何か強い衝動を、それにすり替えるかの如く。 
「そーゆーことイキナリ言うのはやめてくんねぇか」 
 ガバッといきそうになるじゃねぇか。 



 彼は手を伸ばし、作りつけの棚から取り出した紙箱をごそごそと開ける。 
 いつもの物とパッケージが違う、と彼女は箱の蓋をひょいと引っ繰り返して、 
あ、と呟く。 
「憶えていてくれたのか」 
「まーな」 
 以前、枕辺で交わした会話。ゴムはスレて痛い、ポリウレタン製のコンドー 
ムならスレる感じがしないそうだ、と。 
 憶えていてくれただけでなく、まさか買ってきてくれているとは。普通の物 
より高いのに。そんなちょっとしたことが嬉しくて、胸がきゅうっとなる。 
 喜びを顔に出すのが照れくさいので、彼女は、 
「これは男の方も気持ちいいらしいな?」 
「あー。薄いとか熱伝導率がどーとか言ってたな」 
「ただ、伸縮性が低いので、サイズの大きい者は痛くて嵌められないとか」 
 ひょいと覗き込む。きちんと装着されている。 
「ま、標準サイズということか」 
「ほっとけっ」 
 そんな馬鹿話をした。平凡な恋人達みたいに。 
 軽く肩を押して彼は彼女を押し倒す。抵抗はない。むしろ彼を引き込むかた 
ちで、自然と彼女が下になる。 
「悪い、すぐ挿れたい」 
「……いいよ。来て」 
 可能な限りの思いやりを込めて、彼は彼女に侵入していく。思ったほどには 
濡れ足りなくて、とてもスムーズとは言えなかったが、それでも。 
「入っ……たぞ」 
「う、ん」 
 締め付けられる痛み、押し広げられる痛み。その感覚が鈍って、疼くような 
温度に変わる、挿入の余情。 
「大丈夫か? 痛くはないか?」 
「ん、平気」 
 抱きしめあう。互いを引き寄せるように。 
「……不思議な、感じがする」 
「何が?」 
「ボクの手の中に、こんな温かな命があるなんて」 
 人肌のぬくもり。想いあう相手の安心感。 
「君も、いつかは死ぬのだろうな」 
「そりゃそうだ、それが生きてるってことだ」 
 不吉な物言いに、気にする風もなく。 
「その死を見届けて、お前は生きていくんだろう?」 
「ボクは生命ではない。ただの現象だ」 
「お前が命でないってのなら、」 
 彼は彼女の両頬を包む。素肌が心を通わせる。 
「オレだって命じゃねぇだろうよ」 
 下手な物言いだった。彼自身、自分が何を言わんとしているのか、はっきり 
わかってはいまい。だが、それで充分だった。 
「そうだね。ボクは、……生きている。これからだって、生きていく」 
 微笑みはひそやかな風のように。 
 彼の腕の中で、いとおしいほど彼女は一人の女となる。 

 慰みに、気まぐれに、誰かと肌を合わせたことなら星の数ほど。 
 それは、しかし、常に『望まれて』のことだった。 
 死を、望まれてのこと。 
 死神の抱擁は、血の通う肉体をただの肉塊にする。 
 冷たい骸にしてしまう。 
 だけど、君は違う。 
 これはボクが『望んで』のことだから。 
 もしも、ボクが先に死ぬなら。 
 とどめは君がさしてくれ。 

「馬鹿言ってんじゃねぇ」 
 噛み付くようにキスをして、彼女の身体を求める。 
 彼女の心を求める。 
 小細工はもう必要なくて。 
 単純な、でも彼女の呼吸に合わせた前後運動で。 
 熱く追い詰める。高く追い上げる。疾走する興奮。悦楽の美酒。 
「うっ……あ、はぁ…………っ!」 
 急激に乱されていく彼女に、彼の征服欲が満たされていく。わけもない優越 
感。蠱惑の瞳に陶酔。 
「や……もぅ……イきそ……っ」 
「先に、イけ。オレも……すぐに」 
 彼女の意識が飛ぶ。それを認めて彼もまた、……そのはずだった。 
 達した“ボク”が気を失った、その機にさらりと神懸かり。 
 混沌の監視者、“私”。両脚で鋼の戦士の動きを封じて、 
「うわ!? な、何をしやがる!?」 
「残念。君はまだイかせない。私が許すまではね」 
 男を捕らえる女の身体。僅かな動きで男の肉体をなだめすかして、萎えるこ 
とはない、そのくせ決して達しきらない、頂点ギリギリの位置で焦らす。 
「攻める方が好きだと言うけれど、攻められる方も嫌いではないのだろう?」 
「冗談じゃねぇ……くぅっ!」 
 あっという間に下の女が上の男を支配する。それはあたかも使役にも似て。 
 悩ましく、理想郷へと男を追い込み、手が届くかと思わせて、容赦なく、現 
実世界へと男を引き下げ、このまま落ちると思わせて、再び男を追い立てて、 
それは巧みに執拗に、繰り返される快美な責め苦。 
「い、痛ぇっ、苦し……っ、は、早くイかせろぉ!」 
「まだまだ」 
 滴り落ちて肌を伝う男の汗を艶かしく舐めとり、意地悪く、くつくつ笑う混 
沌の監視者。 
 つらいなら私を突き飛ばして、勝手にイけばいいものを。彼女は思う。女一 
人に縛られて、限界を超えても律儀に爆発を堪えつづける、……本当に、なん 
て興味深い、なんて監視し甲斐のある、なんて愛しい、男。 

 どんなに近くにいても、心はどこか遠くを走りゆく男。 
 視線を交わしていてすら、遥か彼方を見詰めている男。 
 捕まえることなどできない。束縛しては意味がない。 
 だけど今、この瞬間は。 

 ……私だけのものだ。 

「頼む、オレ、もう……ッ!」 
「ああ。構わない。思う存分……」 
「っくあぁっ!」 
 許しの言葉と共に熱い迸りを内に受け止め、彼女は満足げな笑みを浮かべた。 
それは豊かな実りと引き換えに血の生贄を求める恐ろしき地母神のようであり、 
一夜の夢を与えて全ての愛を奪う美麗な淫魔のようでもあり、苦しみの生から 
解き放ち救いの死を授ける慈悲深い聖霊のようでもあった。 

−−− 

 のしかからなかったのは、彼の最後の理性。 
 両肘と両膝とで自分の体重をかろうじて支えて。彼女には最低限の圧迫しか 
掛かっていないはずだ。 
 彼の下で、ふ、と彼女が両眼を開く。その瞳は既に“私”ではなく“ボク” 
のそれだった。 
「……ったく。何てことさせやがる」 
「え……?」 
 どこか寝惚けたように、ぼんやりと彼を見上げる。 
 “ボク”は憶えていないのか、先ほどまでの激しい愛戯。“私”が彼に強い 
たこと。 
 ちょっと腹が立ったので、彼はつながりを解き、手早く自分の後始末を済ま 
せた。それから問答無用で彼女の花弁を掻き分けて、可愛い雛尖をグイと剥き 
出しにする。外気と彼の目線とにさらされる、小さなルビーの蕾。 
「やっ、何を、……ああっ!?」 
 イッたばかりの余韻が残る敏感なそこを、直接は触らないように気をつけつ 
つ、周囲から強めの振動を小刻みに与える。 
「あっ、ぁ、あ、あっ、あああっ、やめ、いや、あはっ!」 
 仰け反る背中。見開かれる瞳。たちまち汗が吹き出して、彼女の身体が淫ら 
に暴れる。 
「っきゅ……はああんっ!」 
 喘ぎは派手だが、経験上、彼女がこれでイけないことは知っている。刺激が 
キツすぎて、かえって酔えないのだ。 
 さあてどうしてくれようか。このままいじめてやるのもいい。許してイかせ 
てやるのもいい。ほら、彼女が腰を振り始めた。せっかくの求めであるなら、 
応えてやるのもいい。 
「……っ!」 
 夜気をつんざき、そのとき、悲鳴が聞こえた。魔物の聴覚で、ようやく捉え 
られたほど遠くからの声。 
 助けを求める声を掻き消すように、野獣めいた唸りも聞こえた。 
 バッと彼が身を翻す。ほとんど脊髄反射で、衣服を拾い、即座にまとう。 
 ベッドの上には、真っ赤に上気した彼女。しどけなく彼を見上げて、泣きそ 
うなほど潤んだ瞳。 
 済まんと謝り、バスローブを掛けていくだけの気遣いは見せたのだから上出 
来だ。彼は疾風のようにドアから飛び出していった。 
 バタン、と大きく鳴る音。閉じられたドアは二度と開かず、それはあたかも 
断固たる彼の意思のように。 
 切なげに、彼女の片手が自身のはざまに伸びる。せめて自分で自分を慰めた 
くて。 
 その手を、すんでのところで引き戻し。 
 ……だめ。ボクにそういうことをしていいのは、彼だけ。 
 混沌の監視者は自分自身を抱く。放り出された快楽の残滓を、のがすまいと 
でもするかのように。 
 シーツに移った彼のにおい。甘やかなうずき。しびれそうな夢見ごこち。 
 彼女は彼を追いかけなかった。今回、彼女の出番はないのだ。出番があるな 
ら、とうの昔に彼女は事件現場にいるはず。 
 任せてしまおう、彼に。 
 休ませてもらおう、少しの間。 
 彼は夜明けに戻るだろう。その頃、きっとボクはここにいない。 
 世界がまた、ボクを呼ぶから。 
 タオルケットみたいにしてバスローブにくるまって、何度か寝返りを打って。 
 一番落ち着く姿勢を見つけて、愛を交わした名残の中で、彼女はとろとろと 
眠った。 
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